M&Aの動きと調剤薬局の状況

   

現在、調剤薬局業界は経営において多くの課題を抱え、業界再編の真っ只中にあります。医療費削減などによる収益減、ドラッグストアなど異業種の参入による競争激化、慢性的な薬剤師不足などが課題としてあげられており、いずれも一朝一夕に解決できるものではありません。また、調剤薬局の上位5社の総売上高は全体の10パーセントにも達しておらず、売上のほとんどが中小や個人薬局で構成されている低寡占市場と言えます。そのため、特に上位の企業においてM&Aの意欲は高く、寡占化を目指してM&Aの動きが活発になっています。
それ以外に、後継者のいない調剤薬局が事業継承の手段としてM&Aを活用するケースなどもあります。業界再編にさらされた状況において、M&Aは有効な選択肢として考えられていると言えるでしょう。

調剤薬局におけるM&Aの利点とは

調剤薬局のM&Aには、働く従業員と会社の双方にさまざまな利点があります。従業員は薬剤師として活躍できるステージが広がり、医療人としてのスキルアップを図れる点が大きいです。相手が大手であれば、充実した人材育成プログラムを利用するなどで大きなステップアップが望めるでしょう。
会社にとっては、まずコストカットできる点が第一です。無駄のない人員配置や配送コストの削減などで経営を効率化できます。ほかにも、積極的な採用活動が可能となり、より質の高い人材の確保が見込めるのも利点で、同時に従業員のモチベーションアップにもつながるでしょう。最新のITシステムを導入することで、業務の正確性とスピードを大幅に向上させることも可能です。

調剤薬局におけるM&Aの一般的な手法

調剤薬局のM&Aでは、ほとんど株式譲渡か事業譲渡の手法が使われています。株式譲渡とは株式を第三者に譲渡して経営権を移動させることを差し、事業譲渡とは事業の一部もしくはすべてを他社に移動させ、従業員や債権債務など必要な資源のみを承継することが可能となるものです。
株式譲渡には手続きが簡単という利点があります。対して、事業譲渡は手続きが煩雑で、許認可申請のタイミングやシステムの引き継ぎ、税務対策なども計画しなければならず対応項目が多岐に渡ります。そのため、不慣れな会社やアドバイザーに依頼すると、経営の根幹を揺るがすことにもなりかねません。どちらにしても、M&Aを検討するのであれば、相談先は慎重に選ぶ必要があるでしょう。

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